虫こぶ(ヤマブドウハトックリフシ)
*模倣目的の閲覧はご遠慮ください*
虫こぶ(ヤマブドウハトックリフシ)
- 2021
- Flameworked; borosilicate glass
- size: W80xD80xH50(mm)
【個人蔵】
植物を見ていると、虫との関係の深さを感じることが多くあります。
受粉を虫に手伝ってもらう植物は多く、植物を栄養源や住処として利用する虫も多い。
綺麗な花に惹かれて近寄ってみると、虫に出会うことも少なくありませんし、虫の生態を知っている人は植物を手がかりに目当ての虫を探すこともあるでしょう。
植物と虫の関わりのなかでも、面白いもののひとつが虫こぶだと思います。
そもそも、虫こぶって何なのか。
調べてみると、昆虫などが寄生する刺激によって植物が異常な発達を起こしてできる部位とのことです。
野葡萄のカラフルな実も虫こぶの一種で、あの美しい色は中に幼虫が寄生しているから生じるのだとか。
今回作成したヤマブドウハトックリフシの場合は、ブドウトックリタマバエという昆虫が産卵した刺激によって赤いトックリ状の瘤ができるそうです。
野葡萄の実にしてもヤマブドウハトックリフシにしても、植物の部位としてはとても目立つ色をしています。
鳥に見つかりやすく食べられてしまわないのかと心配になりますが、植物がそういった色を付けるのは寄生された部位を早く取り除きたいからなのか・・・などと邪推してしまいます。
いずれにせよ虫の刺激で生まれる不思議な植物の形は美しく、でも少しぞわぞわするようなところもある奇妙なもので、興味をそそられます。
---
硝子の昆虫観察(@KOBEとんぼ玉ミュージアム) 展示