制作環境について
2017/02/24 04:29:59
*** 模倣目的の閲覧はご遠慮ください ***
作品について話をしていると、よく、どんな環境で制作しているの?という質問を受けます。
そんなわけで、少し制作環境について書いてみます。
【注意】
バーナーでガラスの加工をしたことがない人は、まず近くのガラス工房や教室で機材の取り扱いや安全な作業方法を習得されることを強くお勧めします。(『酸素バーナー 工房』『酸素バーナー 体験』などの検索で探すことができます) 火災だけでなく、バーナーの逆火によって近隣のガス環境に影響を及ぼすおそれなど、最悪の場合には人命が失われる危険があるものですので、経験者のいる場所で実際に作業をしてみるという経験を充分に経ることが理想的です。
どうしても独学にこだわる場合は、WEB検索や書籍の情報だけでなく、体験教室やワークショップなどに参加し実際に作業経験のある作家やスタッフの方に環境や作業中の注意点について理解できるまで質問し、よく学んでから制作環境を整えてください。
制作場所は?
現在(2019年6月)は、自宅の1室を制作部屋としていますが、自宅制作を始めてから10年以上は、台所のガス台付近で制作を行っていました。
バーナーワークはテーブルひとつあれば制作できますので、自宅の片隅から始める人は多くいます。ただ、火を扱いますので、台所以外で作業する場合は床やカーテンなど防炎のものにするなど配慮したほうがいいです。
私も、作業している部屋には耐火性のある擬似フローリングを敷き、防炎カーテンを使用しています。バーナーを置く場所の前面は金属板で壁や窓に熱が行かないようにもしてあります。ガラス棒や、製作中に取り除いたガラスの屑なども、熱した直後に布・紙などに触れると燃えるため、ガラス立て・屑入れも金属性のものです。また、製作中のガラスは必ず耐火ボードの上に置くようにしなければなりません。
私の制作する作品ではあまり扱いませんが、硬度の低いガラスや、塊の大きな作品は温度差で割れて飛び散ることもあります。その場合は部屋の中に熱いガラスが飛んで燃え上がることもあります。服に飛び散った場合は服が燃える場合もありますので、そういった可能性のある作品を作る場合はそれに備えてできる限り燃えやすいものをそばに置かないようにするほうが良いです。
どれだけ注意を払っても、火を扱っていることに変わりはありませんので、どこかが燃えたときには、慌てずに消火作業ができるよう、冷静でいることが、どこで制作をするにしても重要なことだろうと思います。
どんなバーナーを使っているの?
使用しているバーナーは、酸素を混合して高い温度の炎を出すことができる『酸素バーナー』で、光信理化学製作所のKSD-3型卓上用を使用しています。
酸素バーナーの中では小型の部類ですが、若干大きめの炎も出すことができるため、小型~中型の置物程度であれば作ることが可能です。私の作る作品は細い硝子をつなぎ合わせていくものが多いため、1m近い大きさのものでも、このバーナー一つで充分作ることができます。
酸素ボンベを置いているの?
酸素ボンベは置いていません。
レガリアという酸素ジェネレーターを使用しています。酸素ジェネレーターとは、空気から酸素を作ってくれる機械です。電気さえあれば酸素を供給してくれるため、酸素の残量などを気にせずに作業ができる便利なものです。また、大量の酸素が充填されている酸素ボンベよりは、扱いやすいと言えるかと思います。
便利な酸素ジェネレーターですが、レガリアでは大きいバーナーに対しては充分な量の酸素供給ができないため、2台つなぐなどしなければならないようです。私が使っているような小型のバーナーであれば、1台で充分に使用可能です。